~ 小児矯正 の開始時期について~
「子供の歯並びが悪い…💦」
- 出っ歯
- 受け口
などさまざまな悩みがありますよね。
矯正歯科のある歯医者で10年
働き、お子様の歯並びについて
様々な相談を受けていました。
矯正相談したいけど
乳歯の段階でできるものなの?
早く始めた方がいいものなの?
と疑問に思う方向けに今回は
- 小児矯正のベストな時期
- 子供のうちから始めるメリット・デメリット
- 矯正歯科の選び方
について歯科医院に長く勤める私が
経験と知識を元に徹底解説していきます。
【この記事の作成者】

- 歯科衛生士歴10年
- 虫歯、歯周病、審美、外科、小児、矯正など歯科に関係するほぼすべての分野で実践経験あり。
- 2人の子を持つ育児奮闘中ママ
小児矯正 はいつから始めるべき?

一般的には歯が生え変わる6、7歳頃を
目安に治療を始めるケースがあります。
顎の成長や骨格・歯並びにもよりますが
「歯が全て生え変わった」頃には、
成人矯正と同じく抜歯を伴う治療に
発展することも…!
せっかくなら子供に負担の少ない
時期から始めたいですよね。
矯正相談はいつ頃するのがベスト?
歯並びや受け口など
「矯正した方がいいのかな?」と感じたら
乳歯列が生え揃った3歳~5歳頃を目安に
一度相談に行ってみて下さい✨
特に治療ができる段階では
ないかもしれませんが、
おおよその治療開始目安や
治療方法などが分かるかもしれません。
事前準備をしておくことは
気持ちの余裕をもつためにも
良いこと✨
その歯医者で行う場合の
治療費も把握できるので、
始める際の貯金をしておく意味でも
早めの相談がおすすめです。
もちろん、小学生にあがってから
相談にいらっしゃるケースも
多々ありますので遅いことはありません!
おしゃぶりや指しゃぶりが原因で
歯並びが悪くなった子もいると思います。
乳歯のうちから歯並びが悪いと
いずれ生え変わるとはいえ
不安になりますよね。
ですが、歯並びが悪いままだと
虫歯になりやすい特徴があります。
小児のうちから矯正を
行う上でメリット・デメリットも
あるので次にまとめます。
小児矯正 のメリット
子供のうちから矯正治療するメリットは
主に6つ👇
- 歯が動きやすい
- 成人より早く慣れる
- 抜歯になるリスクが低い
- 将来的な虫歯リスクが下がる
- 顎の成長をコントロールできる
- 口腔機能の改善ができる
- 治療費が抑えられる可能性がある
順番に解説していきます。
①歯が動きやすい

子供の骨は柔らかいので
- 歯を動かしやすい
- 痛みも軽い
というメリットがあります。
弱い負荷で微調整できるので
多少の痛みを感じることはありますが
成人矯正よりは軽く済みます。
②成人より早く慣れる

口の中は髪の毛1本でも
違和感を感じるもの💦
装置の種類にもよりますが、
口の中に装着するので慣れるまでに
しばらく時間がかかります。
私は20代で矯正をして
慣れるまでに数カ月かかりました💦
子供の適応能力はとても高いので
装置を付けても早く慣れる子が
多くいます。
身体の成長についても、治療後の
歯茎の退縮など成人矯正でみられる症状が
小児矯正では出づらく、適応能力が
総じて高いです✨
③抜歯になるリスクが低い
大人になってから矯正を始めた場合、
歯並びを並べるスペース確保のために
小臼歯を抜歯するケースがほとんどです。
子供の場合は顎の成長を促しながら
キレイな歯並びにしていくことが可能なため
抜歯するような”外科矯正”のリスクを
減らすメリットがあります。
④将来的な虫歯リスクが下がる

歯並びが悪いと食べかすがつまりやすく
磨き残しが発生し、虫歯になるリスクが
高まります。
矯正をすることで磨きやすい環境を
作れるので、将来的な虫歯のリスクや
歯周病・口臭の予防にもつながります✨
⑤顎の成長をコントロールできる

装置によって顎を拡大したり抑えたり
顎の成長をコントロールすることが
できます。
これは成長段階にある子供だからこそ
できる治療ですが、10歳前後から
難しくなるようです。
⑥口腔機能の改善ができる

噛み合わせが悪いと
- 発音がうまくできない
- 食べ物を噛めずに飲み込んでしまう
などの問題が生じることがあります。
これらの問題は矯正治療により
噛み合わせを良くすることで改善が
見込めます✨
矯正中に正しい舌ポジションの
訓練もしていくよ♪
また、成長期に噛み合わせを改善することで
バランスの良い顔つきへと成長を促せます。
- 口呼吸
- 指しゃぶり
- 頬杖
など、歯並びに影響を与えるようなクセが
ある場合も早めに相談しましょう。
⑦治療費が抑えられる可能性がある
アンケート調査では
小児矯正にかかる費用は30-50万が一番多い!

※歯科矯正経験のあるお子様を持つママ1000人にアンケート調査
成人矯正は70万以上が相場
歯が動きやすい小児矯正は
成人矯正よりも短期間で済むことが多いため
費用も抑えられるケースがあります。
とはいえ、自費診療のため
料金は高額です。
治療方法も大事ですが
カウンセリングの際には、費用についても
しっかりと確認することが大切です。
以上、小児矯正のメリット7つでした!
ここまで聞くと
「早いうちから矯正すべきだな」と
思うかもしれませんが、
デメリットもありますので次に記載しますね。
小児矯正 のデメリット
子供のうちから矯正治療するデメリットは
主に6つ👇
- 矯正治療時のストレス
- 治療期間が長い
- 治療法により虫歯リスクが高くなる
- 自費診療
- 保定が長い
- 転院が困難
実際にあったお悩みや経験したことも
含めて順番に解説していきます。
① 矯正 治療時のストレス

- 見た目が気になる
- 装置装着による口の中の違和感
など、適応能力が高いとはいえ
子供でもストレスになる可能性があります。
小児矯正は
親御さんのご意向で治療を進めるケースが
ほとんどですが、
- 歯並びをキレイにしたい
- 見た目を良くしたい
- 出っ歯や受け口を治したい
など、治療を受ける子供自身の気持ちや
努力も大事になってきます。
治療中は子供の気持ちを
サポートしてあげましょう!
②治療期間が長い
成人矯正より短期間で済むケースが
多いですが、治療期間は
およそ1年~3年ほど。
場合によっては永久歯が生え揃ってから
二期治療へ移行するケースもあります。
③治療法により虫歯リスクが高くなる

歯に装置を装着する治療になると
自分で行う歯磨きや仕上げ磨きが
とても難しくなります💦
実際に治療中に虫歯になって
しまうケースも少なくありません。
矯正中は定期的に検診を受け、歯磨き指導で
親子ともに正しいブラッシング方法を
学ぶ必要があります。
また、歯質強化に特化した歯磨き粉や
予防品を利用することもおすすめです✨
④自費診療

矯正治療は保険適用ではなく自費。
- 検査料
- 治療費
- 装置調整料(月1回)
- 保定装置
など、矯正治療に関わる費用は
すべて10割負担です。
料金設定も医院ごとに異なるため
セカンドオピニオンを兼ねて
いくつかの医院へ相談に行くことを
おすすめします。
⑤保定が長い

矯正終了後は装置を外すと
元の歯並びに戻ろうとする”後戻り”が
発生します。
これを予防するために取り外し可能な
「保定装置」を約2年間つける必要が
あるのです。
取り外し可能なので
そこまでストレスは感じませんが
- 装着を忘れる
- 装着時間が短い
など、日頃の保定を怠ると
後戻りの原因になりますので
注意してください。
基本食事の時以外装着し、
ある程度固定されてくると
就寝中のみに装着する形になってくるので
徐々に使用時間は短縮されていきます!
矯正治療の踏ん張りどころ!
これが終わるとキレイな歯並びの
”固定”につながります✨
⑥転院が困難

「転勤族で…」
「来年引越し予定で…」
など、矯正したいけれど
物理的に通院困難になる患者さんから
相談をうけることもあります。
基本、矯正治療を始めたら
終了するまではその歯医者で通院するのが
原則です。
理由は先生によって治療方針が異なるため、
転院先を紹介してもらっても
新しい所で一から費用がかかってしまう
ことがあります💦
先生によっては引っ越し場所に
知り合いの矯正歯科があり、
そのまま引き継いで紹介してくれることも
ありますが、結構レアケース。
治療期間も長期のため
引っ越す可能性がある場合は
矯正相談の際にあらかじめ伝えて
おきましょう。
以上、デメリット6つでした!
このメリット・デメリットを含め、
矯正歯科の選び方を解説します👇
矯正歯科の選び方
矯正歯科のクリニックを選ぶうえで
大事なのは3つ!
- 連携がとれているか?
- 治療中に定期検診があるか?
- その歯医者を信頼できるか?
①連携がとれているか?

まず、
- 矯正専門の歯科医院なのか?
- 矯正も虫歯治療も行っている一般歯科なのか?
という点です。
どちらに行くべきかは
人それぞれですが、気を付けるべき
ポイントは連携がとれているか?というところ。
矯正専門歯科の場合
矯正専門歯科の場合、虫歯治療などの
一般治療は別の歯医者で行う必要が
あります。
その際、
- 提携の紹介先があるのか?
- 自ら探して治療しに行くのか?
という所もチェックしておきましょう。
虫歯治療をした際は
しっかり報告し、管理してもらう必要が
あります。
「別々に通うのは面倒…💦」と
思いがちですが、
万が一装置が外れてしまった場合や
気になる箇所が出てしまった場合に
すぐ診てもらうことが可能です。
矯正歯科も行う一般歯科の場合
診療項目の中に”矯正歯科”も含まれている
歯医者の場合は、
- 矯正治療
- 虫歯治療
- 定期検診
など、全ての治療が一つの医院で
完結できます。
ただ注意しておきたいのが
矯正治療に関しては
診療日が固定で決められている医院が
多いという事。
基本、矯正治療は月1回
です。
ですので、
矯正診療日に都合が合うか?
事前にチェックが必要です。
また、一般歯科では矯正医が
矯正専門歯科から来る非常勤歯科医
の場合が多いので、緊急の対処が
一般歯科の歯科医になる可能性もあります。
総合的にお口の中を管理してくれるので
連携もとりやすく、通いやすいのが
メリットです。
②治療中に定期検診はあるか?

矯正治療を並行しながら
定期的なクリーニングと虫歯チェックは
必須!
装置を付けることで
虫歯リスクが高くなり、
汚れが溜まりやすい環境に
なってしまうため、治療を進める上で
そのようなフォローが行われているか
相談時に確認しましょう。
③その歯医者を信頼できるか

カウンセリングをしてもらう際に
- スタッフが親切
- 先生の説明が丁寧
- フォロー体制がしっかりしている
- 治療終了後のアフターケアも充実
など、長期で通院するからこそ
歯医者の信頼性を重視して
医院を決めることも大切です✨
気になることが相談しやすい
場所だと安心ですよね。
装置が付けば基本月1回の通院になるので
歯医者までの距離は優先順位を下げても
いいかもしれません。
成人矯正と 小児矯正 どちらがおすすめ?
最後に、成人矯正と小児矯正について
どちらを行うべきか個人的意見を
まとめます。
矯正歯科にも長く携わってきましたが、
成人矯正は治療後の歯茎の退縮が
目立つ傾向にあります。
しかし、子供のうちに矯正している場合は
大人になっても歯茎の退縮ない方が多く
身体の適応能力の高さを感じます…!
(あくまでも個人的感想です)
また、成人矯正の場合は顎の成長が
止まっているため、ガタガタの歯列を
治すために4,5番目当たりの歯を
抜歯して行うケースが一般です。
私も上下左右合わせて4本
抜歯しました。
加えて親知らずがある方は
同じく抜歯になる可能性があります。
これらをふまえると
抜歯せずに成長期に行う小児矯正の方が
総合的におすすめかなと思います。
矯正を検討している方はセルフケア命!

小児矯正を検討中であれば
虫歯にならないためにも日頃から
セルフケアの質を高めておくのが必須!
私も上下左右合わせて4本
抜治療中は想像以上に歯磨き
しづらく、虫歯リスクが
高まるので要注意!
特に仕上げ磨きは最も重要になるので
今のうちから子供のモチベーションも
上げておくことが大事です。

お子様本人がオーラルケアを
意識できるように歯ブラシ選びも
大事にしましょう。



ぜひ、将来の健康投資として
キレイな歯並びをプレゼント
してあげてください✨
最後まで見て下さり
ありがとうございました🌸