- 妊娠中に気を付けるオーラルケアはある?
- 妊娠期の口内トラブルは胎児に影響するの?
- つわりがひどい時の歯磨き対策は?
妊娠中はつわり症状などの
体調変化も重なり
悩みが尽きないですよね。
実は様々な原因で
口内トラブルが起きやすくなります!
原因や胎児への影響を
歯科衛生士の知識をもとに
解説してきます。
妊娠中におすすめの
オーラルケアグッズも紹介して
いきますね!
【この記事の作成者】

- 歯科衛生士歴10年
- 虫歯、歯周病、審美、外科、小児、矯正など歯科に関係するほぼすべての分野で実践経験あり。
- 2人の子を持つ育児奮闘中ママ
※すでに虫歯になっている方は
治療法や胎児への影響などをまとめた
こちらの記事からお読みください👇

妊娠中に口内トラブルが起こりやすい原因とは?
妊娠中に起こりやすい
口内トラブルとして
虫歯・歯肉炎・歯周病・口内炎が
あります…!
磨き残しによってそのリスクが
高まるのはもちろんですが
妊娠中に起きやすい3つの原因に分けて
解説していきます。
①偏食・つわりによる虫歯のリスク


偏食やつわりにより
虫歯リスクが高まる原因は
おもに3つあげられます👇
- 吐き戻しが続く
- 偏食・食べづわりで間食が多くなる
- 気持ち悪くて歯ブラシがしっかりできない
吐き戻しが続く
つわり症状で吐き戻しが続くと
口内が酸性の状態が続き
虫歯リスクが高まります。
つまり、歯が溶けやすくなり
虫歯菌も活動しやすい状態に
なってしまいます。
偏食・食べづわりで間食が多くなる
妊娠初期などはにおいにも敏感になり
偏食になりがちですよね。
特に酸っぱいものを好んで食べるように
なっている方は口内が酸性に傾き
虫歯のリスクが高まるので
注意していきましょう。
また逆に「何か口に入れていないと
気持ち悪い」といった食べづわりの
症状に悩まされる方も
多くいらっしゃいます。
食事中は口内が酸性の状態であるため
一定時間なにも食べない状態を
作らないと中性に戻りません。
つまり、食べづわりで常に何かを
口に入れている状態は虫歯のリスクが
高い状態です。
気持ち悪くて歯ブラシがしっかりできない
歯ブラシを口内に入れるだけで
気持ち悪くなってしまう
つわり症状の重い方は磨き残しが
原因で虫歯リスクが高まります。
この場合は後から商品紹介もしますが
できるだけコンパクトな歯ブラシを
利用して体調の良い時に磨いて
いきましょう。
②ホルモンバランスの乱れによる歯肉炎・歯周病のリスク
妊娠すると女性ホルモンが増加します。
この女性ホルモンは
- エストロゲン
- プロゲステロン
の2種類がありますが
特にエストロゲンというホルモンが
歯周病菌の増殖を促す作用があり、
妊娠中の歯周病リスクを上げています。
そしてプロゲステロンは
炎症の元になる物質を刺激するため
歯肉炎を引き起こしやすくなります。
妊娠初期から増加するので
中期~後期にかけて妊娠性歯肉炎が
起こりやすくなるんです…!
これらは口内環境がいいと
起こりにくいのでセルフケアを
しっかり行う必要があります。
③栄養不足による口内炎のリスク
偏食が続いたり、つわりで食事が
とれないなどの栄養不足から
口内炎ができることがあります。
口内炎は栄養不足のほかにも
以下の原因で起こりやすいと
言われています👇
- ストレス
- 疲労
- 免疫力の低下
妊娠中はこのすべての原因に
当てはまりやすいため、
口内炎に悩まされる妊婦さんを
多く見かけます。
妊娠中 の口内トラブルによる胎児への影響


実際に虫歯や歯周病になってしまうと
ママだけでなくお腹の赤ちゃんにも
影響がでるのか不安ですよね。
もう一度言いますが妊娠中に起こりやすい
口内トラブルは4つ👇
- 虫歯
- 歯周病
- 歯肉炎
- 口内炎
これらのトラブルによる胎児への影響を
以下にまとめます。
虫歯による胎児への影響


虫歯による
胎児への直接的な影響はありません。
しかし、産後そのままの状態が続くと
ママの虫歯菌が赤ちゃんへ感染する可能性
があります…!
生まれた時の赤ちゃんの口内は
無菌の状態なのでこの状態を
保たせるためにも産後忙しい時期ではなく
安定期のうちに治療を済ませましょう。
歯肉炎・歯周病による胎児への影響


歯肉炎はブラッシングなどの
セルフケアをしっかり行えば
治ることがありますがそのまま
悪化してしまうと歯周病へと進行して
いきます。
歯周病による胎児への影響は
低体重児・早産のリスクが高まるため
注意が必要です。


歯周病と低体重児早産
妊娠している女性が歯周病に
罹患している場合、低体重児および早
産のリスクが高くなることが指摘され
ております。
※引用元:NPO法人日本臨床歯周病学会
この表のとおり歯周病学会でも
歯周病と胎児へのリスクが
とても高いことを発表しています。
アルコールよりも
危険度が高いことが
分かりますね…!
ですので、安定期に入ったら
歯医者でクリーニングをし、
口内環境をリセットすることを
おすすめします。
口内炎による胎児への影響


口内炎は
胎児へ直接的な影響はありません。
しかしストレスや疲労などで
お腹が張ってしまったり、
偏食や食欲増加による妊娠性糖尿病の
リスクはでてしまうので
- 十分な睡眠
- 栄養バランスのとれた食事
- ストレス発散
などをできる限りで心がけましょう。
妊娠中 の口内トラブルを予防する3つの方法【お口や歯のケアにおすすめなオーラルケアグッズも紹介!】
上記で説明した
口内トラブルを予防する方法は3つ👇
- オーラルケアグッズの見直し
- 定期的にクリーニング
- 妊産婦健診の受診
この3つをしっかり行いましょう!
おすすめ品も含め順番に
解説します!
①オーラルケアの見直し


妊娠中のセルフケアは
いつも以上に念入りに行う必要があります!
特につわりの時期は
歯ブラシができない時も
ありますよね💦
妊娠中のオーラルケアグッズ
おすすめ品はこちら👇
【妊娠時のおすすめ品】
- コンパクト歯ブラシ
- 洗口剤
- フロス
- フッ素ケア
- キシリトール
①コンパクトな歯ブラシ


コンパクトな歯ブラシは
口に入れた時の圧迫感が少なく、
細かな部分まで磨くことができるので
虫歯・歯周病予防にも役立ちます。
私がおすすめなのは
機能性に特化したtepe社の歯ブラシ👇
予防先進国スウェーデンの歯ブラシで
毛先の構造が歯面や歯間に行き届きやすく
「しっかり磨けた感じ!」と実感をいただける
患者さんのリピート率も高い商品です。
②洗口剤
洗口剤は市販のものだと刺激が強く
妊娠中には少し使いづらいですよね💦
歯磨きができない時は洗口剤で補い、
体調の良い時間帯に歯磨きしましょう。
刺激の少ない洗口液で
虫歯・歯周病・口臭の原因菌を殺菌できる
商品がこちら👇
グルコン酸クロルヘキシジン(殺菌剤)が
虫歯・歯周病・口臭の原因菌を
最大12時間抑制してくれます。
刺激がなく、すっきりとしたミント味。
原液を水で薄めて使用するので
市販のものよりコスパが良いのも特長です✨
③フロス
フロスは妊娠中でもそうでなくても
セルフケアは必須!
虫歯や歯周病は歯間の汚れから
繁殖して罹患するリスクが高いです。
特に妊娠中はしっかり行いましょう。
指巻きタイプだと
気持ち悪くなってしまう場合は
糸ようじタイプがおすすめ!
中でもY字型の糸ようじは
奥歯も操作しやすいため
全体の歯間清掃がしやすいです。
フロス初心者の方は
切れにくいテクミクロン糸を
使用しているこちらの糸ようじが
おすすめ👇
洗って繰り返し使えます✨
(衛生上、歯ブラシ交換時期に
一緒に交換しましょう)
④フッ素ケア
フッ素ケアは歯磨き粉も
もちろん有効ですが、虫歯予防を
目的として利用するようであれば
こちらのホームジェルがおすすめです👇


※引用元:Amazon
通常のフッ素ナトリウムではなく
フッ化第一スズ(970ppm)配合。
スズイオンが含まれているため
虫歯予防だけでなく強い殺菌作用があり、
虫歯や歯周病の原因となる菌を
減らしてくれるのです。
また、
フッ化第一スズ入りの歯みがきジェルを
毎日使うと、虫歯の発生と進行を
98%抑えることが世界的に認められています。


毎日の使用が効果的!
使い方はとても簡単!
- いつもの歯磨き
- ホームジェルを歯ブラシで全体に塗る
- うがいせず軽く吐き出す
使用後は30分飲食を控えると
効果的なので就寝前の使用が
おすすめです。
その他フッ素ケア商品を知りたい方は
こちらの記事もあわせてご覧ください👇



⑤キシリトール


キシリトールは虫歯菌の酸を抑制する商品で
- ガム
- グミ
- チョコ
- タブレット
など様々な種類があります。
キシリトールは食べづわりの時に
おすすめの予防品です。
何か口に入れておかないと
気持ち悪いときに最適✨
食べづわり対策に
飴を利用する方が多いですが、
虫歯のリスクがかなり高くなるので
あまりおすすめしません。
虫歯予防+食べづわり予防で利用するなら
キシリトール100%商品がおすすめ!
砂糖や果糖配合だと虫歯の原因になります。
(成分表をしっかりチェックしてね)
長時間お口に留めることで
虫歯菌を抑制して歯を強くするので
1番はガムが効果的です👇
食べすぎはお腹をゆるくする原因に
なるので長時間口内に留められる
ガムやタブレットがいいでしょう。
その他キシリトール商品については
こちらの記事にまとめてあります👇



②定期的なクリーニング


普段から歯医者さんで
定期的なクリーニングを行うことを
おすすめします。
主な目的は
- お口の中の細菌数をリセットする
- 歯磨きで落とせない汚れを落とせる
- 虫歯や歯周病の早期発見ができる
このようなメリットがあります✨
特に歯周病は
早産の原因リスクにもなりますので
早めに治療しましょう。
クリーニングのタイミングは
つわりがなくなる安定期(妊娠中期)頃に
一度受診するのがおすすめです。
そして、
産後はしばらく育児で手一杯になるので
体調がよければ出産前(妊娠後期)にも
プロのクリーニングで汚れをリセット
しておくのが良いでしょう。
歯医者で行うクリーニングの内容は
こちらにまとめてあります👇
③妊産婦歯科健診の受診


自治体で母子手帳を受け取る際に
妊産婦歯科健診の受診表がもらえます。
この健診表は
- 虫歯・歯周病の検査ができる
- 指定された期間に受診すると1回無料
というものです。
使用できる期間は
妊娠中のみの場合や
産後数週間まで使えるものも
ありますので、健診表を受け取った際に
確認してみて下さい。
簡単な歯茎の検査もついてるので
歯肉炎のチェックもできます。
この健診を機に虫歯が発見されたり
クリーニングを行うこともできるので
ぜひ活用しましょう!
赤ちゃんが生まれた後も気を付けよう


- つわり
- 偏食
- ホルモンバランスの乱れ
- 虫歯
- 歯周病
- 歯肉炎
- 口内炎
などのリスクが高まります。
これらのリスクを下げ、
口内環境を維持するには
- セルフケアの見直し
- 定期的なクリーニング
- 妊産婦健診の受診
この3つの方法で口内トラブルを
未然に防ぐことができます!!
産後は頻回授乳や日々の育児で
寝不足になりがち。
ホルモンバランスの乱れも続きます💦
ぜひ産後のセルフケアも
無理のない範囲で
念入りに行っていきましょう。
最後まで見て下さり
ありがとうございました。